USCPA取得後に監査法人への転職を考える人は多いですが、今の仕事と比べて収入は増えるのか、残業は多いのかなど気になりますよね。
実際にUSCPA合格後に会計分野未経験で監査法人に転職した経験を基に、監査法人1年目のリアルをお伝えします。
USCPA合格者の転職はMS-Japanがおすすめ!
監査法人をはじめ、経理や経営企画など管理部門の求人も豊富にそろっています。
給与水準
Big4と呼ばれる大手監査法人の初任給は、月額32~35万円が一般的です。これはUSCPAに限らず、監査法人に未経験で入所する人は日本の公認会計士試験合格者も含めて同じ金額です。
当たり前ですがコンプライアンスに厳しいためサービス残業は認められておらず、残業代は全額支給されます。そのため繁忙期の残業時間によっては、1年目でも月収が50万円を超えます。私も実際に入社数か月後に迎えた繁忙期で月収が50万円を超えました。
年収の目安は残業代やボーナスを含めて、1年目で550万円〜600万円程度です。残業の多さによって変わりますが、私の1年目は560万円程度だったと思います。
残業時間
前述の通りサービス残業は認められていないため、残業代は全額支給されるものの、残業時間は少ないに越したことはないですよね。
監査法人で働く前とのギャップが生じないように、私が経験した1年目のリアルな残業時間をお伝えします。
前提として監査法人は所定労働時間が7時間に設定されていることが多いのですが、ここで言う残業時間は法令の制限を受ける8時間超の部分を指しますのでご了承ください。
繁忙期
皆さんが一番気になるのは繁忙期の残業時間ですよね。
私は関与する業種の特性上、クライアントの決算期が集中していたので、一年の中でも残業時間の波が大きかったです。
そんな私の繁忙期の残業時間は月65~75時間程度でした。これが概ね2~3か月続きます。
法令の制限もあり、これ以上の残業はなかなかできないと思うので、監査法人の残業時間としてはこれくらいが上限になると考えてよいです。
また入社直後に繁忙期を迎える場合は、できる仕事も少ないことや新人であることが配慮されることも多いため40時間前後に落ち着く人が多いです。
閑散期
繁忙期が終わった直後等の閑散期では状況が一変して、ほとんど残業がなくなります。
夏頃が最も残業が少なくなる時期ですが、その時の残業時間は月0~5時間程度でした。これも概ね2~3か月くらい続きます。
繁忙期の後に急に閑散期が来るので、この時期にリフレッシュする人が多いです。閑散期を経験していない1年目であれば、この時期が初めての長期休暇取得チャンスでもありますね。
通常期
繁忙期、閑散期以外の期間では残業時間は月20~40時間程度で、クライアントの決算の都合や半期・四半期の決算に合わせた作業等、人それぞれバラつきがあります。
繁忙期、閑散期を除いた半年程度はこれくらいの残業時間が発生してしまうので、1年目で仕事の処理に慣れていない間は恒常的な残業も覚悟しておかなければいけません。
主な業務内容
監査法人1年目に高度な会計知識は求められない
監査法人の1年目では高度な会計知識が求められることはあまりなく、難易度の低い勘定科目や監査調書を担当します。
会計知識よりもExcelを使いこなせる方が重要と言っても過言ではありません。この辺りは社会人経験のあるUSCPA合格者が監査法人に転職後、高く評価されやすい要因でもあります。
様々な業務に触れる中で、監査の流れを理解したり、上位者がどのような視点で監査をしているかを学ぶことが大切な期間になるので、会計分野の実務経験がなくても心配はありません。
一番使う知識はAUD
監査法人に入所後、最も使う知識はAUD(監査論)の知識です。
高度な会計知識を必要とする論点を担うことはありませんが、クライアントのどこにリスクがあり、どのような流れで監査を進めているのか、という全体像を理解することが初めの一歩になるので、最初はAUD(監査論)の知識が最も重要です。
試験科目として苦手だった人も多いと思いますが、監査法人への転職を考えている場合は全科目合格後に少し見直しておいた方が良いでしょう。
1日の流れ
現場で動く数年間の動きは大きく変わらないので、1年目というよりは監査法人の若手の1日の流れとして見てください。
基本的にはオフィス勤務、在宅勤務、クライアント先に出向く「往査」の3種類があります。
オフィス勤務、在宅勤務
オフィス勤務、在宅勤務は、場所が変わるだけで1日の流れは基本的に変わりません。
典型的なスケジュールとしては午前9~10時頃に出勤し、昼休憩をはさんで、閑散期であれば定時の17~18時頃、繁忙期であれば業務量によって20~24時頃に退勤します。(法人によっては、繁忙期であってもPCに制限をかけて一定以上働けないようにするなど長時間労働への対策を行ってるようです。)
クライアント先での往査
往査の場合は午前9時半~10時頃にクライアント先に出向いて、クライアントのオフィス内の会議室で1日作業をします。
基本的にはクライアントの定時に合わせて17~18時頃に作業を終了しますが、繁忙期であればそのままオフィスに戻って続きの作業をしたり、帰宅後に在宅で作業することもあります。
未経験者への研修や指導体制
会計実務未経験で入社した場合でも、監査法人では入社後2週間~1か月程度の基礎研修が設けられています。私もUSCPA合格後に未経験で入社した時、最初の1か月はほぼ全て研修でした。
現場配属後も数値入力やExcelでの簡単計算など、初心者でも取り組みやすい業務から始まり、先輩から丁寧に指導を受けられる体制も整っているため、安心して業務に取り組むことができます。
ただし繁忙期になると周りの人に余裕がなくなってくるので、チームによっては自分から積極的に質問したり仕事をもらいに行かないと放置されてしまうかもしれません。監査法人に限らずどの会社でも新人は積極的な姿勢を示すことが大切ですね。
USCPAが監査法人で働く時の注意点
USCPAでも監査法人で日本の公認会計士とほぼ同じ条件で働くことができますが、いくつか注意点もあります。
USCPA合格後に監査法人への転職を考えている人は要注意です。
会計知識のインプットは継続必須
USCPAの知識は広く浅く問われる性質が強い一方で、日本の公認会計士試験はかなり深い知識まで問われます。
これが試験合格までの勉強時間や難易度の差につながっているわけですが、やはり会計知識については日本の公認会計士試験合格者がUSCPA合格者を上回ります。
前述の通り、若手から高度な会計知識を要求されることはあまりないですが、日本の公認会計士合格者は資格登録のために補習所に3年間通いながら知識をブラッシュアップしています。
USCPA合格者で会計知識を磨いていないと、日本の公認会計士試験合格者との差は大きくなるばかりなので、会計知識を継続的にインプットすることは強く意識する必要があります。
業務内容に制約が出てくる
USCPAは米国の資格なので、当然日本で公認会計士に認められている独占業務を行うことはできません。
具体的には、USCPAは国内での監査報告書への署名を担うことはできません。
監査報告書への署名は基本的に監査経験が15年を超えるようなパートナークラスが行うので、入所後数年はほとんど影響ないですが、監査法人で長年頑張りたいと考えている人は、制約がある点を理解しておきましょう。
また法人によって様々ですが、現場リーダーレベルの業務に制約がある場合もあるので、USCPA合格後に転職を考えている人はエージェント等に事前に確認しておくと良いでしょう。
会計未経験USCPAでも監査法人への転職は心配なし!
監査法人1年目についてイメージは出来ましたか?
実際にUSCPA合格後に会計分野未経験で監査法人に転職しましたが、心配していた知識不足・経験不足などは仕事をこなしていく中で身につくものなので全く心配ないと感じました。
監査法人への転職では法人によって社風がかなり違うので、監査法人の情報や求人を豊富に持っている転職エージェント等に相談してみてください。
USCPA合格者の転職はMS-Japanがおすすめ!
監査法人をはじめ、経理や経営企画など管理部門の求人も豊富にそろっています。