USCPA(米国公認会計士)に興味があるけど、事前に簿記の勉強をした方がいいのかな?
と悩む人は多いです。特に難易度や勉強時間を考えると簿記2級を事前に勉強するのがちょうど良さそうで、実際に簿記2級を取得してからUSCPAの勉強を始める人もたくさんいます。
今回はUSCPA受験前に簿記2級が必要かどうかを実際にUSCPA挑戦前に簿記を勉強した経験から解説します。
USCPA受験前に簿記2級は必要か?
結論から言うと、USCPA受験前に簿記2級は必須ではありません。
しかしUSCPAも簿記も会計に関する資格という点は共通しているので、知識は必ず役立ちます。USCPAの前に簿記を勉強するかどうかを判断するポイントをいくつか紹介します。
USCPAに対する適性を測れる
USCPAに限らずどんな資格でも個々人の適性があります。学生時代に得意科目と苦手科目があったように、USCPAの内容が苦手という人もいるでしょう。
簿記2級は会計のレベルとしてはUSCPAに近い資格なので、その分野の適性が測れます。もし簿記の内容が全く理解できなかったり、興味がない場合はUSCPAの受験前に確認できますね。
USCPAは他資格に比べて費用が高額なので、今まで簿記を勉強した経験がない人は適性を測る意味でも簿記の勉強をしてみた方が良いかもしれません。
簿記2級に合格できれば資格と成功体験が手に入る
簿記2級はUSCPAに比べて合格までにかかる勉強時間がかなり少ないです。USCPAでは結果がなかなか出せなくても、簿記2級を事前に取得できれば会計系の資格を一つ手に入れることができます。
またUSCPAは年単位の長期戦になる覚悟が必要なので、小さな成功を積み重ねた方がモチベーションを保ちやすいです。
簿記2級は事前知識というだけでなく、資格と成功体験も手に入るので事前に勉強する意味は大きいと思います。
簿記2級の勉強は必ず期間を決める
USCPAと簿記2級は関連性が高いとはいえ、最短合格を目指すならUSCPAを直接始めた方が良いです。絶対にUSCPAを受験するという覚悟なら敢えて簿記2級を経由しなくても良いでしょう。
簿記2級から勉強する場合、簿記に合格できなくてズルズルとUSCPA受験を先送りしてしまっては本末転倒なので、必ず期間を決めましょう。
目安は3か月以内です。3か月あるとUSCPAで分量の少ない科目は合格できる人もいるのでこれ以上の期間を費やすのはおすすめしません。
簿記2級を勉強してみてUSCPAを受験しようと決意した場合、簿記2級に合格できていなくても3か月以内にUSCPAの勉強に入りましょう。
私は簿記2級を2か月ほど勉強して落ちました。結局簿記2級は取得できていないままですが、USCPAではかなり知識を活かせました。
最終的にUSCPAに受験するなら、簿記2級の合否より基礎知識を身につけることが大事なので簿記2級に時間を使いすぎないようにしましょう。
簿記2級が役立つUSCPAの科目
FAR
FARは財務会計の分野が出題される科目で、他の科目の基礎にもなるのでほぼ全員が最初に受験します。
最もボリュームが多くて時間がかかる科目ですが、簿記2級を取得していると「商業簿記」の知識を活かせます。
最初の科目では英語に慣れる必要もあるので、その時に会計の基礎知識があると勉強がスムーズに進められます。
BAR(選択科目)
BARは原価計算やファイナンスなどの分野が出題される科目です。
簿記2級だと「工業簿記」の知識を活かせます。特に原価計算は初学者は分かりにくい部分も多いので簿記2級で計算に慣れていると勉強をスムーズに進められます。
会計知識ゼロでもUSCPAに合格できる?
予備校では会計知識ゼロでもUSCPAに合格できると謳われていますが、実際にはかなり厳しいと思います。
アビタスの講座では英文会計入門という事前に会計の基礎を学べる科目がありますがボリュームは少ないので、それだけで基礎をしっかり理解できる人は少ないでしょう。
簿記2級レベルは必ずしも必要ないですが、全くの会計初学者という人は簿記3級レベルの教材が理解できるか事前に確認したほうが良いと思います。
USCPA vs 簿記 どっちを受けるべき?
USCPAと簿記はどちらも取得するメリットが大きい資格です。簿記を取得してからUSCPAに合格してダブルライセンスにする人も多いですが、どちらの資格がおすすめかはキャリアの志向などによって変わります。
USCPAがおすすめの人
下記に当てはまる人はUSCPAがおすすめです。
- 海外での仕事や外資系企業に興味がある人
- 監査に携わりたい人
- キャリアチェンジを目指す人
USCPAはグローバルに評価される資格なので、海外志向の強い人には特におすすめです。
また、USCPAを取得すると日本の公認会計士と同様に監査法人で働けるチャンスもあります。JCPAとUSCPAで待遇に差をつけない場合がほとんどなので、日本の公認会計士試験との難易度の差を考慮するとコスパも良い資格です。
また特に若い人はUSCPA取得がキャリアチェンジのきっかけにもなります。上記の通り監査法人には未経験でも入れる可能性が高いですし、外資系企業やコンサルティングファームでも資格+ポテンシャルを評価されればチャンスが広がります。
簿記がおすすめの人
下記に当てはまる人は簿記がおすすめです。
- 会計や経理の仕事をしたい
- 国内の企業で会計の知識を活かしたい
- 汎用性の高い資格を取得したい
簿記に精通している人はどんな会社でも必要な人材です。特に日系企業では認知度が非常に高いので会計や経理の仕事をしたい人は一番に目指すべき資格と言えます。
また簿記は1級まで取得できれば高い専門性が評価されますし、2級でも様々な難関資格の基礎になるので知識の汎用性がとても高いです。
簿記2級の知識が役立つ難関資格には、USCPAの他にも税理士、中小企業診断士、証券アナリストなどがあります。
まとめ
USCPA受験前に簿記2級は必須ではありません。
しかしUSCPAは勉強が長期間になる難関資格なので、基礎知識として簿記を勉強するとUSCPAの勉強には大いに活かせます。
基礎固めをしてからUSCPAに挑戦したい、最短でUSCPAに合格したい、といったそれぞれの考え方によって事前に簿記2級を勉強するかどうかは変わってきます。
悩んでいる人は簿記2級でUSCPAに対する適性も確認できるので一度簿記の勉強をしてみましょう。