リスキリングについての意識が高まる中で、大学生でも様々な資格を取得する人が増えています。今回は就活での評価を軸に大学生におすすめの資格を紹介します。
この記事では合格までに数年を要する超難関資格は除外しています。主に文系の就活を想定していますが、理系の場合でも研究の専門性と組み合わせることで大きな力を発揮できる資格もあるので参考にしてみてください。
大学生が資格を取得するメリット
勉強時間を確保しやすい
大学生は比較的自由な時間が多く、授業やサークル活動の合間に勉強時間を確保しやすいです。
特に、夏休み、春休みの長期休暇は2か月程度と長いので集中して勉強することができます。社会人は勉強時間の確保に苦労しますが大学生なら勉強に使える時間も体力もあって有利です。
勉強の習慣が身についている
大学生は日常的に勉強する習慣が身についているため、新しい資格の勉強にもスムーズに取り組むことができます。(それと同時に勉強習慣から離脱する人が出てくる時期でもあります。)
自分が大学で学んでいる分野と関連が深い資格なら、授業などの内容を応用して効率的に資格取得を目指すことができます。
また、大学は図書館や学習スペースが充実しているので、集中して勉強する環境も整っていますね。
就活での評価につながる
資格を取得することは、就活において大きなアピールポイントとなります。
企業は資格を持っている学生の知識やスキルだけでなく、業界理解や志望度の高さも評価します。業界や職種に関連する資格を持っている場合、他の応募者との差別化が図れますし、その業界を強く志望しているということを採用担当者に伝えることができます。
また、資格を持っているとOfferBoxのような就活のスカウトサービスでも担当者の目に留まりやすくなるので、たくさんのスカウトを得られて就活を効率的に進めることにも繋がります。
大学生が3か月以内に取れるおすすめの資格
簿記3級
簿記は企業のお金の流れを把握するためには必須の知識で、社会人の基本とされています。
簿記3級はその入門的な位置づけであり、ビジネスを理解するための最低限の知識があると評価されます。
難易度もそこまで高くないため挑戦しやすく、簿記3級取得後は様々な資格にも応用できるので何か資格に挑戦したいという人にはおすすめです。
FP3級
FP(ファイナンシャルプランナー)は個人の資産形成や資産運用に対してアドバイスをする資格で、お金に関する知識を幅広く学べます。
FPは国家資格で、認知度も高いので取得すれば就活でもアピールできますし、3級は入門的な位置づけで難易度も低いので挑戦しやすいです。
FP3級も広く浅く学ぶ性格が強い資格なので、他の資格に挑戦する時にも知識を応用しやすくておすすめです。
ITパスポート
ITパスポートはITに関する基礎知識を幅広く学ぶことができる国家資格です。
試験はストラテジ系(経営全般)、マネジメント系(IT管理)、テクノロジ系(IT技術)の3つの分野から出題されます。
こちらもIT関連資格の入門的な位置づけなので難易度は高くありません。基本情報技術者等の上位資格への足掛かりになりますし、IT系の知識は様々な資格で出題されるので取得しておいて損はないです。
証券外務員
証券外務員は金融機関で働く人には必携の資格です。
金融商品の販売等に必須の資格で、難易度は高くありませんが金融に関する知識を体系的に学べるので金融について学んでみたい大学生にはおすすめです。
金融機関入社時には取得が求められることがほとんどなので、事前に合格していれば志望度の高さを示すこともできます。
資産形成コンサルタント
資産形成コンサルタントは2024年に始まった新しい資格で、日本証券アナリスト協会が認定します。
資産形成、資産運用について体系的に学べるので、大学生の間から将来的な資産形成で必須の知識を得られるというメリットがあります。
難易度も低めで、内容としては証券アナリスト試験の入門的な位置づけです。FPとのダブルライセンスもおすすめの資格なのでまずはFP3級とまとめて取得してしまうのも良いかもしれません。
就活で評価が高い資格
簿記2級
簿記は前述の通り社会人には必須の知識ですが、2級まで取得していると深く理解できていると就活で高く評価されます。社会人でもまずは2級取得を目標にする人が多いです。
特に経理や会計に関する資格では知識が直結するので評価されやすいですが、それ以外でも幅広い業界・職種で評価されます。
営業職やコンサルティングなどの経営者とやり取りする機会が多い職種では、簿記の知識があればお金の流れについて理解できるのでスムーズなコミュニケーションにも繋がります。
FP2級
FP2級はファイナンシャルプランナーとしての専門性を示せるレベルで、特に金融機関や保険会社、不動産会社での評価が高いです。
大学生では2級まで取得できれば十分で(1級受験には実務経験が必要で学生には難しい)、顧客への提案等に必要な知識が備わっているとみなされます。
金融機関等では社会人3年目くらいまでに取得を推奨されることが多いので、大学生の間に取得できれば大きな強みになります。
基本情報技術者
基本情報技術者はITパスポートの上位資格で、ITに関する知識を証明できます。
IT業界ではもちろん評価されますが、今の時代にIT知識が必要ない会社はないので幅広い業界で評価される資格です。
大手企業を中心に社員にIT教育の一環としてITパスポートの取得を奨励する例が多いですが、その上位資格を大学生で取得できていれば就活では非常に有利です。
基本情報技術者にはさらに上位資格の応用情報技術者という資格もあります。難易度はかなり高くなりますが大学生で取得を目指せるレベルではあるので、さらに上を目指したい人は挑戦してみましょう。
証券アナリスト
証券アナリストは日本の金融系資格ではトップレベルの資格で、金融機関での評価が高いです。
特に資産運用部門やホールセールス部門等の専門職を目指したり、そのような部門への配属を希望する場合に、知識と同時に志望動機の高さを証明することができます。
試験制度の関係で2年ほど合格までにかかってしまうこともありますが、1次試験合格のみでも高い評価を得られるので金融の特に専門職志望の人にはおすすめです。
宅地建物取引士(宅建)
宅地建物取引士は不動産業界で非常に高い評価を得られます。
というのも不動産会社の店舗では宅建の有資格者を配置しなければならない人数が定められているので一定数は絶対に必要な人材だからです。
独占業務もあり、不動産会社以外にも信託銀行等の不動産を扱う金融機関でも高い評価を得られます。
中小企業診断士
中小企業診断士は経営コンサルタントの国家資格で、幅広く経営について学びます。
コンサルティング業界や金融機関など様々な業界で高く評価される資格で、私も中小企業診断士をアピール材料に就活をしました。
大学生の合格者は年間30人程度と希少性が高いので、就活市場では圧倒的な高評価を得られます。
資格を活かせるのはスカウト型の就活サービス
大学生が資格を取得すると就活でのアピール材料になりますが、特に力を発揮するのが「スカウト型」の就活サービスです。
有名なサービスとしてOfferBoxが上げられます。私もこのサービスを利用して就活しましたが、資格情報を登録すると有名企業からのスカウトがたくさん届くようになりました。
採用担当者は登録している人の履歴書情報を見てスカウトする人を決めています。就活生側からの応募と違って志望動機などを読まれるわけではないので、資格情報でインパクトを与えられる方がスカウトを受け取りやすいですね。
あまり見ていなかった業界からのスカウトが届くなど就活の視野も広がるので、スカウト型のサービスもとりあえず登録しておくことをおすすめします。