USCPA試験で多くの人が最初に受験するのがFARです。
FARは主に財務会計の知識が問われるため、簿記資格を保有していたり経理の実務経験があるなど会計系のバックグラウンドがあるとスムーズに進めることができます。
今回はそんなFARの勉強過程を書いていきます。
この記事は合格体験記シリーズの続きです。他の記事もぜひ参考にしてください。
- USCPA合格体験記① 予備校・出願州選び
- USCPA合格体験記② FAR ←本記事
- USCPA合格体験記③ BEC
- USCPA合格体験記④ AUD
- USCPA合格体験記⑤ REG
関連知識
FARに関連する知識として私が持っているのは
- 中小企業診断士
- 簿記2級の勉強経験あり(不合格)
- 大学で簿記3級レベルの授業を受けたことがある
- 英語力はTOEIC600点程度
中小企業診断士には財務会計の科目が含まれているのでそちらが主に私のベース知識になっています。
最初の科目ということもあり、英語力が課題になることが想定されます。ただ、基本的な会計用語はFAR勉強前に取り組んだ英文会計入門でも出てきているのでその辺りはあまり心配しなくて大丈夫でした。
勉強開始時の英語力について詳しく知りたい人はこちらも参考にしてください。
勉強方針
簿記関連の知識が多少あるものの、財務会計に精通しているわけではなく、日米の違いもあるため勉強は素直に講義を受けるところから始めることにしました。
勉強の流れは
- 講義を受ける
- 該当箇所のMC問題(選択肢式問題)を解く
これをひたすら繰り返します。講義は全てオンラインで受講していたので、基本2倍速で見ます。
短いユニットはまとめて講義を視聴したあとに該当するMCを解いていました。
勉強期間
FARの勉強期間は約9ケ月でした。
最初の科目ということで半年程度かける人が多いと思いますが、のんびり進めていたら9ケ月かかってしまいました。
勉強期間は無理のないペースで進めるのが良いですが、可能であれば短期間に集中したほうが良いです。
記憶が新しいうちに勉強が進むと各分野の繋がりが明確になるので理解が進みやすいです。
英語の会計用語に苦戦
英語で会計を学んだことがある人は少ないと思うので、FARでは英語の会計用語に慣れるのが大変と感じる人が多いのではないでしょうか。
英文会計入門で基本的な用語は押さえられますが、FARで出てくる用語数はその比ではありません。
そもそも日本語でも意味が怪しい会計用語を英語で覚えても意味ないので、日本語でしっかり理解するのが重要です。
ただ、勉強を進めていると良く出てくる用語は自然と覚える(覚えざるを得ない)ので会計用語の暗記に時間を使う必要はありません。
あくまでしっかり理解を進めることを重視すると良いです。
初めての公会計
簿記などの知識がある人でもFARの公会計は初見の人がほとんどでしょう。
州政府や地方政府の会計について学ぶもので、あまり馴染みがないのですが、試験では○%を占めるので手が抜けません。
また、公会計は複雑な計算はあまりないので、しっかり覚えてさえいれば一瞬で解ける問題が多く出題されます。
時間短縮しつつ得点源になる分野なので手を抜かず進めていきます。
実際に試験ではこの分野を解くスピードが合否に直結すると言っても過言ではありません。それくらい試験時間はタイトなのです。
アビタス模試
一通りMC問題を3周くらい解いて、TBSも少し手をつけたくらいのところで実力を測ってみようとアビタスの模試を受けました。
アビタスの模試は本番より難しめに設定されているらしく、本番では75点で合格なので60点くらい取れたら勉強は順調かなと思いながら受けました。
実際に4時間続けて解いてみると、、、
全然時間が足りません!
TBS問題は最後の2つくらいかなり適当に答えを埋めてしまいました。
試験時間はこんなにタイトなのかと絶望しながら何とか最後まで埋めて模試を終えました。
結果は、、、
46点!低い!
合格者の平均や受験者の平均が60点前後だったのでこれはショックでした。
ただ、得点源にするべき公会計ができていないなど、強化すべき点が見えてきたので本番までひたすら強化です!
試験本番
模試で課題だった部分を中心に復習して、いよいよ試験本番を迎えました。
USCPAは試験開始30分前までに受付を済ませておく必要があるので、試験会場には試験の1時間前くらいに到着しました。
個々人がPCで受験するので、早く受付を済ませれば早く試験開始することができます。(もちろんいつ始めても試験時間は同じです。)
試験前に持ち物や身分証明書のチェック、金属探知機でのチェックを行います。いろいろチェックが終わるとメモ用の紙と電卓(試験会場によって異なるようです)を渡されて、席に案内されます。
NTS(受験票のようなもの)に記載されている番号をPCに入力して試験スタートです。
試験について簡単にまとめると
- 試験時間は4時間
- 5つのテストレットに分かれていて解答送信後は前のテストレットに戻ることはできない
- テストレット1〜2がMC問題、テストレット3〜5がTBS問題
- 各テストレットの間は休憩可能だが試験時間は止まらない
- テストレット3と4の間だけ試験時間を止めて15分間休憩可能
このような感じです。
実際に試験を受けてみると予想以上に時間が足りません。
MC問題は問題数が多くて時間がかかりますが、想定していたくらいの時間で終えることができました。(各テストレット50分ずつくらい)
TBS問題はこれまで勉強してきたものより資料の読み取り量が圧倒的に多くて、時間が足りませんでした。
アビタス模試は本番に近い操作方法や問題の質で練習できるので絶対に受けるべきだと思いますが、TBS問題だけは本番の傾向を上手く掴めていないのかなと感じます。
FARのTBS問題は全て添付資料があるタイプの問題だと思って対策しておいた方が良いです。
これに関しては直近数年分のReleased Question(過去問)を参考にしましょう。
最後のTBS問題2問くらいは駆け足になってしまいましたが、4時間全部使って何とか全て埋めて試験を終えました。
結果待ち
結果待ちの期間は次の科目の勉強に移ります。
私はFARの次にBECを受験したので試験の翌日からBECの勉強に入りました。
不合格だった場合に備えてFARの復習をした方が良い、という意見もあるかと思いますが合格だった場合にExpireまでの1.5年という期間が動き出すので次の科目に移ってしまった方が良いと個人的には思います。
合格
スコアリリースの日を迎えて、結果は
77点で合格でした!
75点以上で合格なのでギリギリですね。TBS問題が駆け足になってしまったこともあり手応えはなかったのですが何とか合格することができました。
次回
次回は一度不合格も経験したBECの体験記を書いていきます。