中小企業診断士には簿記に関連する科目があり、得意不得意がかなり分かれる部分なので不安を感じる人も多いです。
そこで今回は「中小企業診断士に合格するには簿記何級レベルの知識が必要?」という疑問にお答えします。
簿記の知識は中小企業診断士試験に直結する
中小企業診断士試験に簿記の知識は直結します。簿記の知識があるだけで有利になるだけでなく、勉強時間の短縮にも繋がります。
具体的にどのような科目で関連しているか解説します。
中小企業診断士1次試験と簿記
中小企業診断士1次試験は以下の7科目で構成されています。
- 経済学・経済政策
- 企業経営理論
- 財務・会計
- 運営管理
- 経営法務
- 経営情報システム
- 中小企業経営・中小企業政策
この中で「財務・会計」は簿記と学習内容が重なっています。
特に計算が多い科目でもあり、暗記による短期での対策が難しいので簿記の事前知識があると勉強を効率的に進めることができます。
中小企業診断士2次試験と簿記
中小企業診断士2次試験は以下の4科目で構成されています。
- 事例Ⅰ(組織・人事)
- 事例Ⅱ(マーケティング・流通)
- 事例Ⅲ(生産・技術)
- 事例Ⅳ(財務・会計)
2次試験では事例Ⅳとして財務会計に関する事例問題が出題されるので、簿記の知識が直結します。
マークシート方式の1次試験と異なり2次試験は記述式なので、自ら計算して数値を書かないといけません。会計に関する知識や計算力の差が出る科目になっています。
事例Ⅳは2次試験の中では正解がはっきりしている問題が多いので、事例Ⅳが得意だと合格にぐっと近づきます。
中小企業診断士試験合格には簿記2級レベル
中小企業診断士試験合格に必要なのは簿記2級レベルです。
簿記2級レベルであれば基本的な財務諸表の読み方が身についていますし、企業の経営状況を把握できるレベルだと言えます。
1次試験の財務・会計では基本を理解した状態でスタートできるのでとても役立ちます。2次試験でも経営状況を理解した上でアドバイスを記述するにあたって簿記2級レベルがしっかりと身についていればスムーズに進められるでしょう。
簿記2級に合格していないと中小企業診断士に合格できないということではありません。
実際に私は簿記2級に落ちた直後に中小企業診断士の勉強を始めて、1年で合格できました。
簿記2級「レベル」の知識があると有利、というのが正しい理解です。簿記2級の合格にこだわって中小企業診断士の勉強が後手後手になっては本末転倒なので注意しましょう。
簿記は中小企業診断士の科目免除対象外
中小企業診断士試験には専門資格などを保有する人が使える科目免除の制度があります。
しかし簿記は科目免除の対象外です。
財務・会計の科目免除は公認会計士、税理士やその試験合格者などが対象です。簿記1級はかなりの難易度ですが免除対象外なので注意してください。
まとめ
中小企業診断士試験合格には簿記2級レベルがあれば有利になります。
財務会計に関する科目は受験者の中でも得点差がつきやすいですが、正しく対策すれば安定して得点できる科目でもあります。
簿記を勉強してから中小企業診断士に挑戦する人も多いので、簿記に苦手意識がある人や全く勉強したことが無い人は一度簿記に触れてみると良いかもしれません。
既に簿記2級を保有している人は、中小企業診断士に自信を持って挑戦してみてください。