前回は1次試験の受験勉強期間から合格発表までのことをお話ししました。
今回は2次試験についてです。筆記試験までの勉強や、口述試験についても書いていきます。
この記事は合格体験記シリーズの一部です。他の記事もぜひ参考にしてください。
- 合格体験記① きっかけ
- 合格体験記② 1次試験
- 合格体験記③ 2次試験 ←本記事
- 合格体験記④ 実務補習
2次試験の勉強
2次試験は筆記試験と口述試験に分かれていますが、勉強は主に筆記試験対策なので筆記試験について書きます。
1次試験との関連
2次試験は事例Ⅰ〜Ⅳの4科目です。
それぞれの科目で、中小企業を想定した事例が示されるので、問題の条件を満たしながらアドバイスを記述していきます。
1次試験で関連する科目は主に
- 企業経営理論
- 財務・会計
- 運営管理
- 経営情報システム(一部)
この4科目です。経営情報システムは出題によるのでそこまで知識を使わない年もあります。
その他の科目は横断的に各事例で使うイメージですが、財務・会計は特に事例Ⅳで深く出題されます。
1次試験で得意としていた企業経営理論、財務・会計、運営管理が2次試験と関連してくるのは嬉しい状況です。
勉強方針
記述形式の2次試験はマーク式の1次試験と違い、正解がありません。なので勉強方針としてはできるだけ多くの事例に触れて、答え方に慣れていくことにしました。
2次試験で使ったのは「ふぞろい」シリーズです。これも2次試験を受験する人はほとんど使っているかなと思います。
<10年分>
<最新版(2024年版)>
10年分まとまっているものは非常にお得で、より多くの事例に触れたかった私には最適でした。特に独学受験の人は問題演習からコツをつかむ必要があるので10年分の
基本は10年分+直近の過去問があれば十分使えるかと思います。
勉強開始
教材が揃ったら事例Ⅰ〜Ⅳを古い年度から順番に解いていきます。古い年度から取り組むのは、問題演習を積み重ねて解答精度が高まった時に新しい問題を解くことで、実際の試験でどれくらい通用しそうか把握するためです。
最初の数年分は答え方を知ることに使ってしまうので、最新の傾向が反映された新しい問題を使うのはもったいないです。
初めて解いてみた2次試験の過去問は、各事例20%くらいの出来でした。なかなかひどいですね笑
ただ、初めて解く過去問については良い点数を取ることが目的ではありません。まず答え方を知ることが第一です。なので模範解答と解説を熟読して情報の抽出の仕方や答え方をじっくり確認しました。
これを3年分くらい繰り返すと、解答の体裁は整ってきます。最初に比べると趣旨から大きく外れた解答をすることも少なくなってくるので、自己採点をしてみて正答率を確認してみるのも良いと思います。
こうして、直近12年分の全事例を1回ずつ取り組みました。
1次試験〜2次試験までの期間は3ケ月弱なので、2日に1事例取り組むと10年分くらいはできると思います。見直しにかなり時間がかかるので、私の場合は1事例2.5時間くらいかかっていたと思います。(解答1時間+見直し1.5時間)
2次試験の怖いところは、過去問演習をしても合格水準に達しているかわからないところです。問題によっては模範解答と自分の解答が全く違うこともあるので不安になることもあります。
ただ、正解のない2次試験では自信を持って落ち着いて試験本番に臨めることが一番です。最終的にはたくさんの事例に触れたという事実が自信に繋がると思うので、手応えが得られなくて不安になっても過去問演習はたくさん行ったほうが良いというのが私の意見です。
2次試験本番(筆記)
1次試験から2次試験までは本当にあっという間です。
1次試験とは別の大学が会場になっていました。初めて行く場所なので迷わないようにGoogleMapでシミュレーションしてから向かいました。
試験は1日で行われるので1次試験より体力的にはきつくありませんが、かなりの量を記述するので手は相当疲れます。
また、正解がないという特性上、あまり手応えを得ることはできないので科目が変わる時には終わった科目のことをあれこれ考えないようにしていました。
どんな手応えだろうと書いてさえいれば合格の可能性はあるので、「さっきの科目はそこそこできたぞ」と思いながら進めていきました。
1次試験同様に、試験の合間や休憩時間は知識を詰め込むのではなくリラックス優先でキャンパス内を散歩して過ごしました。
直前の詰め込みで対応できる内容ではないですし、全体を見ながら解答の構成を考えるということが必要なので、1次試験以上にリラックスして焦らず解ける状態を整えることが重要です。
そんなこんなで、2次試験も特に大きな問題も起きず無事終了しました。最後の科目が終わった時の爽快感はすごいです。
あとは祈るだけです。
2次試験(筆記)合格発表まで
2次試験(筆記)の合格発表までは、やるべきことといえば口述試験に備えて事例を見返すくらいでしょうか。
私は、3日に1回くらい各事例の文を振り返っていました。この時やれば良かったと思うのは、各設問の解答のメモを簡単にでいいので残しておくことです。
口述試験は基本的に事例に沿って質問されますし、筆記試験での設問と同じような論点が聞かれるパターンもあるので自分が書いた解答のメモがあると準備しやすいです。
そうは言いつつ、この期間は解放感に浸るのも良いと思います。まずは頑張った自分を労わりましょう。
2次試験(筆記)合格発表
ついに合格発表です。
1次試験と違い、自己採点がほぼ不可能なので合否の検討は全くつきません。
結果は、、、ABABで合格でした!
各事例の点数は以下の通りです。
科目 | 点数 |
---|---|
事例Ⅰ | 77点(A) |
事例Ⅱ | 56点(B) |
事例Ⅲ | 60点(A) |
事例Ⅳ | 56点(B) |
合計 | 249点(A) |
実は、感覚的には事例Ⅳの足切りを恐れていたのですが、そんなに危なくなかったです。
ただ、事例Ⅱ、事例Ⅲは思ったより点数が伸びなかったな~という感覚で、全体としては合格点+9点というギリギリの合格でした。
2次試験ではこのようなことが頻発するので手応えは当てになりません。わからなくても何か書くことで部分点がもらえることもあるのでとりあえず空欄を作らず解答して祈りましょう。笑
口述試験
2次試験筆記の合格発表から口述試験までは1週間くらいしかありません。
勉強としては事例の見直しと、各設問を聞かれた時に口頭でどう答えるか頭の中でシミュレーションをしました。
おそらく試験に出席して普通に解答できれば落ちないのであまり気張る必要はないですが、合格は目の前なので各事例はしっかり読み込んでおいたほうが良いです。
本番は面接形式ということもあり緊張感があります。事例はよく読み込んだので受け答えは自信を持ってできたと思います。
質問はやはり事例企業をベースに聞かれました。筆記の設問にはない質問ももちろんありますが、ここまで合格してきた知識があれば問題なく答えられると思います。
質問内容は人によって異なると思いますが、私の場合は2つの事例から2つずつ質問されて、計4問でした。入室~退出まで8分くらいだったので1問2分弱くらいです。入退室時間や質問されている時間を考えると、1分くらいで解答をまとめる練習をすると良さそうですね。
上手に解答できなくても合格はできると思うので、とりあえず沈黙しないようにだけ気をつけました。あくまでコミュニケーションなので難しい表現を敢えて使う必要もないでしょう。
こうして口述試験も問題なく終えました。
試験時間は10分前後ですが、本当にあっという間に終わります。
完全合格
口述試験から約1週間、ついに合格発表を迎えました。
口述試験の合格率は例年99%程度なのであまり心配はしていませんでしたが、数人落ちる人がいるので安心はできません。
結果は、、、合格でした!
これで中小企業診断士試験は完全合格になりました。
約1年の勉強を経て、独学ストレート合格達成です。この瞬間の達成感と解放感はたまりません。
【次回】実務補習
試験の合格体験記としてはここで一段落となりますが、次回は試験合格後の実務補習についても書いているので、ぜひご覧ください!